2015年03月30日

アメリカ医療を崩壊寸前に追い込んだ「オバマケア」 次の標的は日本

命を金に換える新自由主義の医療ビジネス。
TPPの中で、何よりも妥協してはいけないのは日本の医療制度です。
医療ビジネス(保険業界、製薬業界など)ふざけるな!!!です。

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 「チェンジ」を掲げ、アメリカ国民を熱狂の渦にたたき込んだオバマ大統領が今や見る影もない。その象徴が『オバマケア』と呼ばれる医療保険制度改革への批判だ。TPP問題が佳境を迎えるなか、日本も無関心ではいられない。いまホットな1冊だ。 (文・大谷順 写真・栗橋隆悦)

 ──アメリカの医療費の高さにびっくり。くるぶしの骨折治療費が640万円、がんの治療薬が1カ月40万円…

 「アメリカの医療費は約200兆円(日本は約40兆円)。アメリカ人の自己破産理由のトップが『医療費』なのです。医療保険は、民間企業がカバーしており、高い保険料を払えない人は、ギリギリまでがまんした揚げ句、診療を拒否できないER(救急救命センター)に駆け込むしかない。日本のような“国民皆保険”をうたった『オバマケア』はそれを画期的に変える、という触れ込みだったのですが、実際は大違いでした」

 ──『オバマケア』で大もうけしたのは、保険会社や製薬業界だけ

 「オバマ大統領は『保険料は平均2500ドル(約30万円)下がる』と言っていたのに、多くの人の保険料が上がった。薬代の自己負担額もそう。一方、病院や医師は診療報酬が減り、事務処理に忙殺されている。約5000万人いた無保険者は『オバマケア』で保険に入ることができ、一見よかったようですが、保険会社が指定する医療機関が少ないため、現実には医者にかかれない。つまりキャッシュカードをバラまいたのに、使えるATMがないという状況です」

──高い理想を掲げたオバマ大統領はどこで間違ったのか

 「2001年の米中枢同時テロ以降、アメリカ社会は『何でもがマネーゲーム』という風潮になりました。過度の自由競争、市場原理主義の中で、全体の1%に過ぎないスーパーリッチ層に富が集中し、多くの国民は貧困にあえいでいる。『オバマケア』はまさにその構図です。保険や製薬業界は、共和党だけでなく、オバマ大統領の民主党にも多額の政治献金をしています。腕利きのロビイストを雇い、圧力をかけた。業界だけがもうかる仕組みを作り上げた結果、保険や製薬会社トップの年収は30億円にもハネ上がったのです」

 ──それでよくメディアや国民が黙ってますね

 「メディアにとっても保険・製薬業界は大スポンサーですからね。近年、メディア業界は寡占が進み、スポンサーがよりコントロールしやすい状況になっています。ただ、これほど『貧困』が深刻になっている今、国民の不満がいよいよ爆発する場面があるかもしれません。つまり『下』からの変革です。昨年秋の中間選挙で民主党が惨敗したのも、『オバマケア』への批判が大きかったと思いますね」

 ──アメリカの保険会社の次のターゲットは『日本』だと書いています

 「アメリカ人もそうですが、日本人も『国民皆保険制度』について正確に理解している人は少ない。私も4年がかりで取材を進め、英文の膨大な法案の資料を読み込み、この本を書くことができました。『知らない』ということはスキを作ることになりかねません。すでにアメリカ政府からは日本に対して、混合診療の解禁や保険組織の民営化など、医療分野での規制緩和を求める圧力が強まっています。日本の『国民皆保険制度』を守るために、譲れない部分ははっきりと主張してゆく必要がありますね」

■あらすじ 「国民皆保険」を掲げたオバマ大統領の医療保険制度改革(通称・オバマケア)。その実態は全体の1%に過ぎないアメリカのスーパー・リッチ層が仕掛けた“ボロもうけ”のビジネスモデルだった。皆が幸せになれるハズの夢の制度は、ほとんどの人たちを不幸に陥れ、アメリカの医療を崩壊寸前にまで追い込んでいる。「命」を「カネ」に替えるアメリカ社会の衝撃のルポ。

 ■堤未果(つつみ・みか) ジャーナリスト。1971年、東京生まれ。ニューヨーク市立大学大学院で修士号を取得。2006年、『報道が教えてくれないアメリカ弱者革命』で日本ジャーナリスト会議黒田清新人賞、08年、『ルポ 貧困大国アメリカ』で日本エッセイスト・クラブ賞、新書大賞受賞。夫は参院議員の川田龍平氏、父は10年に逝去した放送ジャーナリストのばばこういち氏。

posted by bhycom2 at 02:34| 東京 ☀| 生活 | 更新情報をチェックする
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